

「痛くないの?」「赤ちゃんに鍼って大丈夫?」——そのようなご相談を多くいただきます。
小児鍼(しょうにはり)は刺さない・強くない・短時間の治療で、発達途中の神経系に合わせたやさしい刺激で整えていきます。
生後2週間〜小学生を対象に行い、皮膚への摩擦や接触を目的とした
刺さない鍼治療(接触鍼)です
(成長するにつれ、症状や状況によっては大人と同じような鍼を行う場合もあります)。
メリットは、痛みがない、薬を使わないといった点が挙げられます。
治療時間はおよそ5〜15分ほど。お子さんの負担が少ない形で行います。
使用する鍼は、長さや刺激の強さなど多種多様です。
現在では、代表的な数種を使用する場合や、ディスポーザブル(使い捨て)鍼での治療も多く行われています。
小児鍼の効果が期待される症状の一例です(夜泣き/疳の虫/アトピー/小児喘息など)。
疳の虫(小児神経症)、かんしゃく、夜驚、夜泣き、奇声、夜尿症、便秘、不機嫌、小児喘息、アトピー性皮膚炎、湿疹、消化不良、虚弱体質など
乳幼児や子どもは、大人に比べて神経系や体温調節機能が発達途中にあります。
そのため、わずかな気温差や環境変化、生活リズムの乱れでも
自律神経のバランスが崩れやすい状態にあります。
この不安定さが続くと、夜泣き・アトピー・喘息・かんしゃく・食欲低下など、 いわゆる「過敏反応」として現れることがあります。
子どもは感受性が高く、神経の可塑性(変化する力)も豊富です。
そのため、大人のような強い刺激は必要ありません。
当院では刺さない小児鍼(接触鍼)を用い、皮膚への軽い刺激で下記のような反応を引き出します。
弱い接触刺激でも、皮膚や筋膜に存在する受容器が反応し、中枢神経へ信号が送られます。
これらは単独ではなく、連動して働きます。
その結果、「症状が出にくい体の条件」が整っていきます。
東洋医学では、体の状態を 弱っている(虚)のか、 過剰に反応している(実)のかという視点で整理します。
難しい言葉ですが、簡単に言えば「元気が足りないタイプ」か「頑張りすぎているタイプ」かを見極め、刺激の量と方向を合わせる考え方です。
症状そのものだけを見るのではなく、体全体を一つの調整系として捉えることが重要です。
当院では、問診と触診を通して「どこに負担が集中しているのか」「何がバランスを崩しているのか」を丁寧に確認します。
今の症状だけを追うのではなく、からだ全体の調和を見ながら、必要最小限の刺激で整えていきます。
※お子さんの状態は日々変化します。同じお子さんでも時期によって「虚(弱っている状態)」と「実(緊張が強い状態)」が入れ替わります。
その日の状態に合わせて刺激量を調整します。
小児鍼は「夜泣きや疳の虫を無理に止める治療」ではありません。
神経系と循環系を穏やかに整え、小児鍼の効果として“安定しやすい体の条件”を作るサポートです。
医療機関での治療が必要な場合は連携を優先し、当院では補助的・調整的な役割を担います。
症状や年齢によって異なりますが、はじめは週1回程度からスタートし、安定してきたら間隔をあけていくケースが多いです。
「いつから変化が出るか」「どのくらいの回数が必要か」は、お子さんの反応を見ながら無理のないペースで一緒に決めていきます。