逆子改善プログラム
逆子とは?いつ頃わかるのか?
赤ちゃんはお腹の中ですくすく大きく育っていきますが、妊娠後期になると、赤ちゃんは体の中で一番重い頭を下にした姿勢となり、出産を迎えます。
ところが、何らかの原因で、頭が下にならない胎位異常が起こることがあり、これを「逆子」といいます。
逆子について、以下のようなデータがあります。
実は妊娠24~27週の間に、全胎児の約20~30%が逆子になっていると言われています。
逆子が自然に正常な姿勢に戻りやすい時期は、28週くらいまでと言われていますが、いったん逆子が直っても、再び逆子になってしまうことケースもあります。
逆子は、妊婦さん自身がはっきり認識できるようなことはなく、多くは何も感じない間に逆子になっていて、妊婦健診で医師から指摘されて初めて知ることとなります。さらに、「様子をみましょう」と言われることも多く、その後33~34週ごろの健診でも逆子が直っていないと、突然帝王切開による出産日を決められ、その時はじめて「自然分娩ができない」ことを実感し、あわてる妊婦さんが非常に多いのも実情です。 妊婦健診は、妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24以降には2週間に1回程度の間隔で行われるため、いつから逆子になったのか、厳密に知ることはできません。
治療のタイミングは?
逆子のままお産を迎える割合は、全体の3~5%くらいで、安全を考えて、ほとんどの場合「帝王切開」が選択されます。
妊娠24~27週位に逆子だと診断されても、多くの場合では自然に直るので、「それほど気にしなくても構い」と言われていました。
少し前までは28〜32週を目安に治療を行うと、赤ちゃんが大きくなっていないため回転しやすく、34週を超えてくると赤ちゃんもかなり大きくなり、回転しづらくなってくるため《逆子改善プログラム》は、28週頃からスタートしましょう… と、お伝えしていました。
また、逆子と診断されてからの経過が長い方ほど、難治性となっているケースが少なくありません。
メディカルジャパンでは、逆子だと診断を受けたら、早期の段階から《逆子改善プログラム》をスタートさせ逆子を直し、再発させないようにケアしていくことをおすすめしています。
分類
一言に逆子と言っても、さまざまなタイプがあります。赤ちゃんの胎位によって分類すると、以下の3タイプに分類されます。
- 01.縦位
- 02.横位
- 03.斜位
・膝位
・足位
妊婦さんの体の縦軸に対して、赤ちゃんが斜めになっている…かなりまれ
もし、妊婦健診の時に「逆子ですね」と診断されたら、赤ちゃんがどのような姿勢なのか、頭と足の位置を尋ねておくと、その後の経過をみることができます。
次回の健診で、仮に逆子が継続していたとしても、姿勢が変わっていれば比較的直りやすい逆子だと思われます。全く姿勢が変わっていなければ、難治性かもしれません。
逆子の原因
逆子になる原因はよく分かっていませんが、逆子を誘発しやすい因子として、以下の3つが挙げられます。
①子宮に問題がある場合
子宮や胎盤の形状や位置などの問題によって、赤ちゃんが自由に動き回ることができなく なってしまい、逆子になる可能性があります。
• 子宮の奇形
• 子宮筋腫
• 狭骨盤
• 胎盤異常(前置胎盤・低置胎盤) など
②赤ちゃんを取り巻く環境に問題がある場合
赤ちゃんや取り巻く環境の問題でお腹の中を自由に動き回ることができにくくなり、逆子になる可能性があります。
• 羊水過多
• 多胎妊娠
• 赤ちゃんの下肢の伸展
• 低体重児
• 胎児奇形(無脳症、水頭症) など
③妊婦さんの生活習慣の問題
上記のような項目は、全て子宮への血流不良を起こす因子です。これらにより、赤ちゃんが自由に動き回ることができにくくなり、逆子になる可能性があります。
• 猫背
• 急激な体重増加
• 運動不足
• ストレス
• 睡眠不足
• 足腰の冷え
• 疲労 など
逆子であることのリスク・危険性は?
逆子であると、次のようなリスクや問題があります。
足位・膝位の場合、出産予定日より前であっても、赤ちゃんが足を動かすことで前期破水(30~50%に合併)、臍帯脱出、赤ちゃん自体の脱出が起こり、赤ちゃんが死亡してしまうリスクがあります。
通常は、赤ちゃんの一番大きな頭で産道をこじ開けて生まれやすい状態を作ることができるのですが、逆子のまま自然分娩を行おうとすると、手足が産道に引っかかり、脱臼したり、頭が最後に出てくることになるため、難産になります(牽引による分娩外傷は、正常自然分娩の2倍)。
また、赤ちゃんの脳に酸素が行かないため仮死状態となり、出生後障害が残ったり、最悪の場合死亡してしまうこともあります(死亡率は、正常自然分娩の3倍)。
逆子で帝王切開が選ばれる理由と出産時期は?
西洋医学的に、自然分娩での母体と赤ちゃんのリスクと安全性を考えると「帝王切開」が最善策であり、またコレといった治療法がない点、近年の産科領域における訴訟問題の影響などもあり、現在、逆子と診断された場合には、かなりの高確率で帝王切開による出産が選択されます。
時期については、担当医師の判断にもよりますが、以下の要因を考慮し、通常37〜38週くらいに予定されます。
・陣痛や破水が起こってからでは危険を伴うので、それが起こる前であること
逆子という認識は全くなく、出産が始まった段階で手足が出てきたものの、引っ掛かってなかなか生まれてこれない“難産”となり、初めて「赤ちゃんの向きがおかしい」ということが分かりました。
逆子を自然分娩(経膣分娩)した場合、一番大きい頭が最後に出てくることになり、赤ちゃんが窒息する確率が高くなります。特に、最初に出てくる部分が小さければ小さいほど、産道が十分に開かず危険度が高くなります。(臀位→膝位→足位の順で危険度が増します)さらに、手や足を引っ張ったりすることによる、脱臼のリスクも高まります。このことから、逆子の場合は予定帝王切開をすべきであるとされています。
メディカルジャパンにしか出来ない逆子治療
エコーを用いて検査
エコーを用いた介入例
メディカルジャパンでは、エコーでスクリーニングをしながら治療を行います。リスクを最小限に抑え、安全に治療を行います。
三陰交(内くるぶしの上)、至陰(足の小指)へのお灸
逆子対策として、三陰交(内くるぶしの上)、至陰(足の小指)にお灸をします。お灸はその方の体質に合わせて、火傷にならない電気温灸器から煙の出る本格的なお灸まで用意しています。
体操療法 特効穴への指圧
長年の経験からの特効穴への指圧が効果絶大です。理由は、体性内臓反射という身体の表面に刺激を与え、内臓の反応を促す反射を利用するためです。 また、ピラティス等の体操療法にて、骨盤の歪みも整えることで、赤ちゃんの居心地良い環境づくり、再発を予防できます。当センターで独自に開発した「4D体操」は骨盤環境を整えるのに最適です。
そのため、鍼でもお灸でも指圧でも、患者さんに合ったベストな刺激を与え治療することが可能です。 妊娠32週を過ぎた方でも十分に逆子改善が見られますのでお気軽にご相談ください。参考文献
産婦人科医からの推薦をいただいております
日本性感染症学会 認定医
日本女性医学学会専門医
母体保護法指定医師
プレコンセプションケア
生涯のうちのプレコンセプションケアの位置づけ(WHOから引用・改変)
コンセプション(Conception)とは、お腹の中に新しい命をさずかること、受胎を意味します。
プレコンセプションケア(Preconception care)とは、将来の妊娠を考え女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことです。
このケアが必要となるのは、妊娠を計画している女性だけではありません。女性やカップルがより健康になること、元気な赤ちゃんを授かるチャンスを増やすこと、さらに女性や将来の家族がより健康な生活を送れることを目指しています。
日本では、成育医療研究センターのプレコンセプションケアセンターで初めて開設されました。
プレコンセプションケアセンターでは、いつか妊娠を考える全ての女性とカップルが、あらゆる視点から現在の健康状態のチェックを受け、日々の生活や健康について各分野のスペシャリストたちに相談できることを目指し、特に、現在ご病気をお持ちの方や、小児期にご病気をお持ちだった方からの将来の妊娠・出産についてのご相談、なかなか妊娠しないカップル、妊娠してもこれまでに思うような結果が得られなかったカップルのご相談に力を入れています。
また、これまでに妊娠に関する情報が十分ではなかったご病気の妊娠・出産に関する情報を集め、全ての方に妊娠前に知っておいていただきたい最新の情報を、発信しています。
・東京慈恵会医科大学 産婦人科講座
・杏林大学医学部付属病院
・大阪医科大学附属病院
※ こちらの施設では、プレコンセプション相談外来のみ実施