鍼灸治療におけるフレア現象とは?〜赤みが出る理由と心配の必要性〜
鍼灸治療を受けた際に、鍼を刺したまわりの皮膚がうっすら赤くなっているのに気づいたことはありませんか?
これは、鍼灸の施術効果のひとつとして現れる「フレア現象」です。
今回は、フレア現象の仕組みや意味、注意点についてご説明します。
フレア現象とは?

フレア現象とは、鍼を刺した部分のまわりが赤くなる反応のことです。
多くの場合、鍼を刺した数分後に直径1〜5cmほどの赤みが現れ、数十分以内に自然に消えていきます。
これは体が過敏に反応しているわけではなく、むしろ体の正常な生理反応のひとつです。
なぜフレア現象が起こるのか?
フレア現象の主な原因は、血管の拡張による血流の増加です。
鍼で皮膚や筋肉に微細な刺激が入ると、その周囲の神経が興奮し、毛細血管が拡張する信号(主にヒスタミンや神経性の反射)を伝えます。
その結果、局所の血流が増え、赤みとして見えるのです。
これは、体が「修復や調整をしよう」としているサインともいえ、鍼灸治療の狙いである血行促進や自己治癒力の活性化に寄与します。
フレア現象は痛みや副作用ではない
フレア現象は自然な生理反応なので、特に心配する必要はありません。
痛みやかゆみを伴うこともほとんどなく、施術後しばらくすると消えます。
ただし、以下のような場合は一度施術者に相談してください。
- ・赤みが長時間消えない
- ・かゆみや腫れ、痛みが強い
- ・別の部位まで赤く広がる
これはフレア現象ではなく、過敏反応や別の皮膚症状の可能性があります。
フレア現象が起きやすい人
- ・皮膚が薄く敏感な人
- ・末端冷え性や血行が悪い人
- ・自律神経が不安定な人
このような方は、フレア現象が出やすい傾向がありますが、いずれも体質によるもので特に問題ありません。
まとめ
鍼灸治療中に現れるフレア現象は、体が鍼の刺激に反応して血流を促進しているサインです。
赤みが出ると驚かれる方もいますが、むしろ治療が効いている証ともいえる反応です。
ご不安な場合は遠慮なく施術者に相談し、安心して施術を受けてくださいね。