鍼灸で免疫力アップ!インフルエンザ予防
毎年冬になると流行する インフルエンザ。
先日、厚生労働省から全国的な流行シーズンに入ったと発表されました。
手洗いやうがい、マスクなどの基本的な対策はもちろん大切ですが、実はそれだけでは不十分です。
ウイルスに負けないためには、自分自身の「免疫力」 を高めておくことがとても重要です。
どんなに周囲にウイルスがあっても、免疫力がしっかりしていれば感染を防いだり、発症しても軽く済む可能性があります。
最近では「体質からインフルエンザに強い体をつくる」方法として、
鍼灸(しんきゅう)による免疫ケア が注目されています。
1. インフルエンザと免疫の関係:ウイルスに対する体の仕組み
インフルエンザウイルスは、呼吸器の粘膜から体内に侵入します。
これに対して私たちの体は、「免疫システム」という防御機構でウイルスと戦います。
免疫には主に2つのタイプがあります。
・自然免疫:ウイルスや細菌が入ってきた瞬間に、白血球などがすぐに攻撃する「即時防御システム」
・獲得免疫:一度感染したウイルスの情報を記憶し、次に侵入してきた時にすぐ排除する「学習型防御システム」
この2つがバランス良く働くことで、ウイルスを防ぎ、体の健康を守っています。
しかし、ストレス・睡眠不足・冷え・自律神経の乱れ などが続くと免疫機能が低下し、感染しやすくなってしまいます。
そんなときに役立つのが、体全体のバランスを整える鍼灸治療 です。
2. 鍼灸が免疫力に働くメカニズム
鍼灸は「体の自然治癒力」を高める治療法です。
では、なぜ鍼灸で免疫が高まるのでしょうか?
① 自律神経のバランスを整える
免疫機能は、自律神経と密接な関係があります。
交感神経が優位な状態が続くと体は“緊張モード”になり、免疫が抑制されてしまいます。
鍼灸は、ツボ刺激によって副交感神経を高め、リラックス状態をつくることで免疫機能を正常化します。
② 血流を改善し、免疫細胞を活性化
鍼やお灸による温熱刺激は、血管を拡張し、血流を促進します。
これにより白血球やリンパ球などの免疫細胞が体内をスムーズに巡り、
「戦う力」=免疫力 が向上します。
③ ストレスや冷えを軽減
ストレスや冷えは、免疫低下の大きな原因です。
鍼灸には筋肉の緊張をやわらげ、血流とホルモンバランスを整える効果があります。
体の内側から温まり、ウイルスが繁殖しにくい状態をつくります。
近年の研究でも、鍼灸刺激によって 白血球数やナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性が上昇 することが報告されています。
つまり鍼灸は、体の免疫ネットワーク全体を整える自然な医療法 なのです。
3. 鍼灸で症状を緩和・回復を支える方法
もしインフルエンザにかかってしまった場合でも、鍼灸は 体の回復を早めるサポート になります。
・高熱後の体力低下や倦怠感の改善
・咳や喉の痛みによる自律神経の乱れの調整
・睡眠の質の改善・食欲回復のサポート
鍼灸は、直接ウイルスを排除するわけではありませんが、
「体が元の状態に戻る力=自己治癒力」を引き出します。
また、東洋医学では「未病(まだ病気になっていない段階)を防ぐ」ことを重視しています。
体の不調や疲れを放置せず、季節の変わり目や流行期前に鍼灸で体を整えることが、最良のインフルエンザ予防につながります。