レッドコードによるリハビリと運動療法|体幹・バランスを整えるノルウェー発のメソッド
レッドコードとは
ノルウェー発祥の赤いスリング(吊り紐)システムです。天井やフレームに吊るした赤いコードに手足や体幹を乗せ、自重を一部免荷(体重を減らす)して運動できます。不安定な状態をあえて作ることで、姿勢保持筋(インナーマッスル)や神経‐筋の協調性を刺激するのが特徴です。

リハビリでの目的
レッドコードは、さまざまなリハビリ目的に合わせて安全に運動できるよう設計されています。
- 関節や筋肉の負担を減らし、安全に運動が可能
- 体幹・姿勢制御の改善
- 神経‐筋協調性の向上
- 筋力低下の回復
適応疾患
レッドコードは整形外科・リハビリ領域で幅広く利用されています。
- 肩関節障害(五十肩、腱板損傷後、術後のリハビリ)
- 腰痛・体幹不安定性(慢性腰痛症、脊椎術後)
- 股関節・膝関節術後(人工関節置換術後、靭帯損傷後)
- スポーツ障害(膝前十字靭帯再建後、肩インピンジメントなど)
体重を一部免荷できるため、痛みのある時期からでも可動域訓練や安定化練習を行うことができます。
神経疾患への応用
レッドコードは、脳神経疾患のリハビリにも活用されています。
- 脳卒中後(片麻痺)の歩行練習・体幹バランス練習
- パーキンソン病などバランス障害を伴う疾患
- 脊髄損傷・末梢神経障害による下肢機能低下
不安定な環境でトレーニングを行うことで、姿勢保持筋やバランス能力を効率的に刺激できます。
高齢者・介護予防への活用
高齢者の転倒予防やフレイル予防にも効果的です。
- 転倒予防訓練(下肢筋力+バランス能力の向上)
- フレイル予防(安全に筋力・持久力を高めるトレーニング)
レッドコードは、身体の状態や目的に合わせて強度や支えを調整できる万能な運動療法ツールです。関節に負担をかけず、体幹の安定やバランス能力を引き出すトレーニングとして、リハビリ・スポーツ・介護予防など幅広い分野で活用されています。