頭痛はタイプで対処が変わる!片頭痛・緊張型・群発頭痛の原因と治し方
1. まずは区別:一次性 vs 二次性 頭痛の基本
頭痛は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられます。
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一次性頭痛
他の病気が原因ではなく、それ自体が病気として起こる頭痛です。片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛が代表的で、頭痛持ちの多くがこのタイプです。 -
二次性頭痛
脳出血や感染症など、別の病気が原因となって起こる頭痛です。命に関わる病気が隠れている場合もあり、「突然の激しい頭痛」「今までにない頭痛」「発熱や麻痺を伴う頭痛」のときは、すぐに医療機関を受診することが重要です。
まずはこの2つの区別を理解することが、頭痛対策の第一歩です。
2. 頭痛の分類と診断の基盤:ICHDを知ろう
国際的には「ICHD(国際頭痛分類)」という基準で頭痛が細かく分類されています。医師はこの基準を参考にして診断を行います。
特に診察のときに大切なのは次のポイントです。
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頭痛がどのくらいの頻度で起きるか
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どんな痛み方をするか(ズキズキ・締めつけ・刺すような痛みなど)
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伴う症状はあるか(吐き気・光や音がつらい・目の充血など)
「いつもの頭痛と違う」「急に強い痛みが出た」と感じたら、危険な頭痛の可能性もあるため早めの受診をおすすめします。
3. 頻度の高い一次性頭痛タイプとその特徴
3-1. 片頭痛
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特徴:頭の片側がズキズキと脈打つように痛み、吐き気や光・音に敏感になることがあります。発作は数時間〜数日続くことも。
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前兆:視界にチカチカした光が見える、手足がしびれるなど「前兆」が出る人もいます。
3-2. 緊張型頭痛
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特徴:頭全体が締めつけられるような鈍い痛み。長時間のデスクワークやストレス、姿勢不良による肩や首のこりが関係しています。
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日常に多い頭痛:一番よくあるタイプで、「肩こりからくる頭痛」とも言えます。
3-3. 群発頭痛
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特徴:目の奥をえぐられるような激しい痛みが、ある期間に集中して繰り返し起こる頭痛。夜間に出ることが多く、涙や鼻水が伴うことも。
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注意点:市販薬では効果が乏しいため、必ず医療機関での治療が必要です。
4. 頭痛タイプ別:効果的なセルフケアと対処法
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片頭痛
暗い静かな部屋で休む、冷たいタオルでこめかみを冷やす。発作時には市販の鎮痛薬も使えますが、頻度が多い人は医師の処方薬(トリプタンなど)が有効です。 -
緊張型頭痛
ストレッチや入浴で血流を良くし、肩や首のこりをほぐす。長時間のスマホ・パソコン作業では定期的に休憩を入れることも大切です。 -
群発頭痛
禁酒が大前提。発作時には酸素吸入や特定の薬が有効で、必ず専門医に相談しましょう。
5. 片頭痛に効く医療的アプローチ:急性期と予防への道
片頭痛には「今ある痛みを抑える治療」と「発作を予防する治療」があります。
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急性期治療:痛みが出たらすぐに使う薬(トリプタン製剤など)で、発作を短く軽くすることができます。
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予防療法:発作が頻繁な人には、日常的に薬を使って発作を減らす方法(β遮断薬、抗てんかん薬、ビタミンB2など)があります。
6. 最新の治療選択肢:CGRP関連・補完療法
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CGRP関連抗体薬
片頭痛の原因のひとつである「CGRP」という物質を抑える新しい薬。月1回の注射で予防効果が期待できます。 -
補完療法
鍼治療、バイオフィードバック、リラクゼーション法など。薬とあわせて取り入れることで生活の質を上げることも可能です。
7. 自分の頭痛タイプを知る:セルフチェックのすすめ
「ズキズキとした拍動痛か」「締めつけられるような痛みか」「目の奥の激痛か」など、自分の症状を整理することはとても大切です。セルフチェックを行うことで、適切なケアや受診のタイミングがわかりやすくなります。
8. まとめ:頭痛と上手につきあうための日々のポイント
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自分の頭痛タイプを知る
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症状に合ったセルフケアを実践する
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市販薬で改善しない・頻度が多い場合は医療機関へ
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最新の治療や補完療法も積極的に情報収集する
頭痛は「我慢するもの」ではなく、「正しく理解してコントロールできるもの」です。自分に合った対策を見つけ、快適な毎日を送りましょう。