加圧トレーニングは、なぜ動かなくてもエクササイズになるのか?
なぜ「動かなくてもエクササイズ」になるのか?加圧トレーニングと「イリシン」の秘密
「巻くだけで運動になるんです」と聞くと、ちょっと信じがたいですよね。でも実は、加圧トレーニングが「運動と同じような効果」を生み出しているのには、きちんとした科学的な理由があるんです。
そこでキーワードになるのが、「イリシン(irisin)」というホルモンです。
そもそも「加圧トレーニング」ってなに?

加圧トレーニングとは、腕や脚の付け根に専用のベルトを巻き、血流を一時的に制限しながら行うトレーニングのことです。
たとえば…
- 軽い重さでも、筋肉に大きな負荷がかかる
- 成長ホルモンの分泌が活性化
- 短時間・低負荷でも効果が高い
実はこの“筋肉への刺激”が、イリシンの分泌に大きく関わっているのです!
イリシンとは?
イリシンは、筋肉から出てくるマイオカイン(筋肉由来のホルモン)のひとつ。運動をすると、筋肉の中にある「FNDC5」というたんぱく質が働き、それが分解されて「イリシン」が作られます。

このイリシンには、次のような効果があります。

- 記憶力アップ(脳にいい刺激を与える)
- 白色脂肪を“褐色脂肪”に変える(=燃えやすい体になる)
- 血糖値の改善(インスリン抵抗性が下がる)
- 内臓脂肪の減少(特に高齢者で顕著)
つまり、「健康」と「ダイエット」の両方に役立つ夢のホルモンなんです!
加圧トレーニングで本当にイリシンが出るの?
結論から言うと、はい、出ます。
普通は運動しないと分泌されないイリシンですが、加圧トレーニングをすると、「動かなくても」イリシンの元であるFNDC5が増えるという研究結果が出ています。
実際に、加圧ベルトを巻いて血流を制限するだけで、筋肉は「運動してる!」と勘違いを起こし、イリシンが増えていくのです。
動かないのに体が変わる理由
加圧トレーニングによってイリシンが分泌されると:
・脂肪が燃えやすくなる(代謝が上がる)
・内臓脂肪が減りやすくなる(特に高齢者に効果的)
・脳が活性化する(認知機能の維持・向上)
つまり、「動かないのに体が変わる」**というのは、ただのキャッチコピーではなく、ホルモンの科学的作用による現象なんです。
まとめ
加圧トレーニングは、たとえ動かなくても筋肉に軽いストレスを与えることで、運動したのと同じような生理的反応(ホルモン分泌)を引き起こし、
健康・美容・ダイエットにも役立つという、まさに効率的なトレーニング法です。