冷え性の原因と改善方法|鍼灸で整える“温まりやすい体”のつくり方

1.冷え性とは?
■ そもそも「冷え性」とは?
冷え性は
「体温はそこまで低くないのに、手足や体の一部がつねに冷たく感じる状態」
を指します。
よくあるイメージは
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手足が氷のように冷たい
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足先だけ一年中冷たい
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お腹やお尻・太ももが触るとひんやりしている
などですが、実際には以下のようなパターンも含まれます。
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冬だけでなく、夏の冷房でも冷えがつらい
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足先は冷たいのに、上半身はのぼせやすい
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体温は36.5℃くらいあっても、本人は強い冷えを自覚している
つまり「体温計の数値」だけで判断するものではなく、
「血液や自律神経のバランスが崩れ、体のどこかの“温度配分”がおかしくなっている状態」
と考えるとイメージしやすいです。
■ 冷え性を放置すると何がまずいのか?
冷えは「ちょっと不快なだけ」と思われがちですが、実はさまざまな不調の土台になります。
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疲れやすい・だるい
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肩こり・腰痛・頭痛
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生理痛・生理不順・不妊
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胃腸の不調(便秘・下痢・食欲不振)
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不眠・イライラ・気分の落ち込み
こうした症状が「なんとなく続く」背景に、慢性的な冷え性が隠れていることはよくあります。
ですので、
「冷え性を整える=体の土台を整える」
という視点で向き合うことがとても大切です。
2.冷え性の原因
「冷え性 原因」としてよく挙げられる要素を、わかりやすく4つに分けて整理します。
① 血行不良:血液が末端まで届いていない
体を温めているのは「血流」です。
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長時間のデスクワーク
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同じ姿勢での立ち仕事
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猫背・巻き肩
などが続くと、
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筋肉が固まり
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血管が圧迫され
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手足の先まで温かい血液が届きにくくなります。
特に
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肩・首まわり
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お尻・太もも裏
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ふくらはぎ
がガチガチに固まっていると、上半身はポカポカなのに、手足はずっと冷たいという状態になりやすくなります。
② 筋肉量不足:熱を生み出す“工場”が小さい
筋肉は体の中で**もっとも大きな“熱産生器官”**です。
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運動不足
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ダイエットのしすぎ
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加齢
などで筋肉量が減ると、
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基礎代謝が下がる
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熱を作る力が弱くなる
→ 平均体温が下がり、「冷え性体質」に傾きやすくなります。
特に
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太もも
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お尻
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ふくらはぎ
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体幹(腹筋・背筋)
あたりの筋肉量低下は、下半身冷え・足先の冷えに直結します。
③ 自律神経の乱れ:血管コントロールがうまくいかない
血管の「開け閉め」をコントロールしているのが自律神経です。
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交感神経:ギュッと締める(緊張モード)
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副交感神経:ゆるめる(リラックスモード)
本来は、
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運動時 → 手足の血管を開く
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寒いとき → ある程度収縮して熱を逃がさない
と、状況に応じてしなやかに切り替わるべきですが、
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ストレス
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夜更かし
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スマホ・PCの長時間利用
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不規則な生活
などが続くと、自律神経のバランスが崩れ、
手足の末梢血管が常に収縮気味で、温まりにくい状態
になってしまいます。
④ ホルモンバランス・体質・生活習慣
女性に冷え性が多い背景として、
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エストロゲンなど女性ホルモンの変動
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生理・妊娠・出産・更年期
などが血管や自律神経に影響していることも分かっています。
さらに、
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冷たい飲み物・アイス・生野菜中心の食事
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シャワーだけで湯船に浸からない生活
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運動不足
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極端なダイエット
などが重なると、冷え性が“クセ”として体に刻まれてしまうイメージです。
3.冷え性が引き起こす“二次的な不調”
冷え性は「単独の悩み」で終わらないことが多く、さまざまな症状とセットで出てきます。
1)痛み・コリ系
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肩こり
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首こり
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腰痛
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頭痛
冷えで血流が悪くなると、筋肉の中に老廃物がたまりやすくなり、コリや痛みの慢性化につながります。
2)婦人科系のトラブル
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生理痛が強い
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生理不順
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PMS(イライラ・むくみ・頭痛など)
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不妊傾向
骨盤内の血流が悪いと、子宮・卵巣周りの環境が冷えた状態になりやすく、婦人科系のトラブルとリンクしやすくなります。
3)消化・代謝の低下
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便秘・下痢
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胃もたれ・食欲不振
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太りやすい・痩せにくい
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体がむくみやすい
なども、冷え性と一緒に起こりがちなサインです。
内臓が冷えると、胃腸の動きや代謝のスピード自体が落ちてしまうためです。
4)メンタル・自律神経の不調
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疲れが取れにくい
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朝起きられない
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イライラ・不安感
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睡眠の質の低下
体が冷えていると、自律神経も不安定になりやすく、「体も心も」冷えて固まってしまうような状態になりがちです。
4.冷え性改善のための生活習慣・食事・運動
「冷え性 改善」で重要なのは、
① 冷やさない
② 温める
③ 熱を作れる体にする
この3つを、生活・食事・運動のなかで地道に積み上げていくことです。
① 冷やさない:守りの冷え対策
ポイント:3つの“首”を中心にカバー
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首
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手首
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足首
これらは血管が表面近くを通っており、冷やすと全身が冷えやすくなります。
具体的には:
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マフラー・ストール・ネックウォーマー
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腕まくりしすぎない服装
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靴下+レッグウォーマー・タイツなどで足首を露出させない
また、冷房・暖房の風が直接当たる位置に長時間いないよう、デスクの配置や座る場所を工夫するのも有効です。
② 温める:外から+中から
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入浴(外から温める)
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38〜40℃くらいのぬるめのお湯に10〜15分浸かる
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シャワーだけで済まさず、できるだけ湯船に入る
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飲み物・食べ物(内側から温める)
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冷たい飲み物を常飲しない
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白湯・常温の水・温かいお茶をベースに
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根菜(にんじん・ごぼう・大根)、しょうが、ねぎ、味噌・発酵食品などを意識して取り入れる
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「温活」というと特別なことに聞こえますが、**“シャワーを湯船に変える” “冷たい飲み物を白湯に変える”**といった小さな変更からで十分です。
③ 熱を作れる体にする:運動・筋トレ
**筋肉=“自前の暖房”**です。
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毎日20〜30分のウォーキング
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スクワット(無理のない範囲で10〜20回を数セット)
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かかと上げ(ふくらはぎのトレーニング)
など、特別な器具なしでできる運動を習慣化すると、
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筋肉量アップ
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血流アップ
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基礎代謝アップ
が同時に期待できます。
いきなりハードな運動ではなく、
「週3回以上、息が少し上がるくらいの運動」
を目安にスタートしてみると続けやすいです。
5.鍼灸が冷え性に働きかける仕組み
ここからは、「冷え性 鍼灸」で検索した人が一番知りたいポイント、鍼灸で何が変わるのか? を整理していきます。
1)血流と自律神経へのアプローチ
鍼(はり)やお灸でツボを刺激すると、
皮膚・筋肉の神経 → 脊髄 → 脳(自律神経の中枢)
へ情報が伝わり、
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末梢血管の拡張
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筋肉の緊張緩和
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血流の改善
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自律神経バランスの調整
といった変化を引き起こすと考えられています。
冷え性の方で多いのは、
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肩・首・背中のこわばり
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腰〜お尻〜太もも後面の張り
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ふくらはぎのパンパン感
などですが、鍼灸でこれらをゆるめることで、
「血液の通り道」が広がり、手足や下半身まで温かさが届きやすくなる
というイメージです。
2)体質そのものに働きかける
東洋医学では冷えを、
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「陽気不足」=体を温める力が弱い
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「気血不足」=エネルギーと血の不足
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「瘀血」=血の滞り
などとして捉え、
「どのタイプの冷え性か?」
を見極めてからツボを選びます。
鍼灸では、
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お腹(関元・気海など)
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足首周り(三陰交・太谿など)
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ひざ下(足三里など)
に鍼やお灸をすることで、
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全身の巡りを良くする
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下半身へ“陽気”を送り込む
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冷え+生理痛・PMS・不眠などをまとめて調整
といった“体質改善寄り”のアプローチが可能です。
3)鍼灸が向いている冷え性のタイプ
特に鍼灸との相性が良いのは、次のようなケースです。
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「冷え+生理痛+PMS」 のセットがある
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「冷え+肩こり・頭痛・不眠」 に悩んでいる
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血液検査・検査値は問題ないのに、冷えがつらい
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服薬だけでは改善を実感しにくい
こうした「検査では異常がないのに、症状はしんどい」タイプの冷え性は、
自律神経・血流・体質に同時に働きかけられる鍼灸が得意な領域です。
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