最近、階段がつらい…?年齢とともに出る膝の痛みの原因と今すぐできる対策
階段がつらくなった…それ、年齢だけのせいではありません

「立ち上がるときに膝が痛む」
「階段を下りるのがつらくなった」
「正座をすると違和感がある」
そんな症状が出始めるのは、40代〜60代以降の方に多く見られます。
「年齢だから仕方ない」と思われがちですが、実は膝の痛みにははっきりとした原因があり、早めの対策で進行を防ぐことができます。
この記事では、
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年齢とともに膝が痛くなる“本当のメカニズム”
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年齢別に出やすい症状や注意点
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日常生活でできる具体的な予防・対策
を、医療国家資格者の視点からわかりやすく解説します。
1. なぜ年齢を重ねると膝の痛みが出るのか?原因を整理
▶ 原因①:関節軟骨のすり減りと変形
膝の骨と骨の間には「関節軟骨」というクッションがあります。
加齢によりこの軟骨がすり減ると、骨同士がこすれ合い炎症を起こします。
これが**変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)**の代表的な仕組みです。
初期は違和感やこわばり程度ですが、進行すると痛みや関節の変形が目立ってきます。
▶ 原因②:筋力(特に太もも前の筋肉)の低下
加齢とともに**大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)**が弱くなると、膝関節を支えきれず、
関節のズレや炎症が起きやすくなります。
特に“内側広筋”という筋肉が衰えると、膝が内側に傾き、
歩行や階段動作で痛みを感じやすくなります。
▶ 原因③:体重増加・姿勢・動作のクセ
体重が1kg増えると、歩行時には約3〜4kg分の負荷が膝にかかるといわれます。
さらに、猫背や前傾姿勢、O脚・X脚などのアライメント(骨の並び)が崩れると、
一部の関節面に負担が集中し、炎症を引き起こしやすくなります。
▶ 原因④:冷えや血流の低下
年齢とともに血管の弾力が減り、膝周囲の血流が悪くなります。
筋肉が硬くなることで酸素・栄養が届きにくくなり、修復力が落ちるため、
痛みやこわばりが慢性化しやすくなります。
2. 年齢別に出やすい膝の痛みのパターンと見分け方
▶ 40〜50代:筋肉・姿勢の変化が始まる時期
・膝の内側が重だるい
・階段を降りるときだけ痛い
・運動後や冷えた日に違和感がある
この段階では「まだ大丈夫」と放置しがちですが、
筋力低下+血流不良のサイン。
早めのストレッチや軽い筋トレで改善が期待できます。
▶ 60代以上:軟骨の変性・関節の摩耗が進みやすい時期
・歩くと痛い
・膝が腫れる、水がたまる
・正座・しゃがみ動作ができない
この段階では変形性膝関節症の可能性が高くなります。
医療機関での診断・物理療法・運動療法を併用し、
進行を止めることが何より重要です。
▶ 見逃されがちなケース
「天気が悪い日だけ痛む」「片方の膝だけ違和感がある」なども要注意。
炎症や筋バランスの崩れが進む前に、専門家へ相談しましょう。
3. 年齢を重ねても膝を守るための具体的対策
▶ 対策①:太もも・お尻の筋肉を鍛える
膝を支える「大腿四頭筋」や「臀筋(お尻)」を動かすことで、
関節への負担を軽減できます。
おすすめ運動例
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椅子に浅く腰かけて片脚を伸ばす(10回×2セット)
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壁に背中をつけて膝を軽く曲げる「壁スクワット」
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歩行時は「お尻で地面を押す」意識を持つ
▶ 対策②:体重管理と食生活の見直し
過剰な体重増加は膝の大敵。
無理なダイエットではなく、「糖質・塩分を控え、たんぱく質をしっかり摂る」ことが大切です。
体重を2kg落とすだけでも、膝への負担は約8kg軽減します。
▶ 対策③:関節を冷やさない・血流を保つ
膝を温めることで、関節液の流れが良くなり、可動域も改善。
サポーターや温湿布を活用し、冷えない環境づくりを意識しましょう。
▶ 対策④:靴・インソール・歩き方を見直す
かかとがすり減った靴や硬い靴底は、膝に負担をかけます。
・クッション性のある靴
・かかとが安定する構造
・歩行時に「かかと→つま先」のローリングを意識
で、関節への衝撃を軽減できます。
▶ 対策⑤:専門家のサポートを受ける
痛みが長引く・腫れる・水がたまる場合は、早めの受診を。
鍼灸・物理療法・運動療法などを組み合わせることで、
痛みの緩和と再発防止が期待できます。
4. まとめ:年齢に合わせた“膝とのつきあい方”を始めよう
膝の痛みは、年齢とともに誰にでも起こりうるもの。
しかし、「年齢だから仕方ない」と諦める必要はありません。
膝は“使い方”と“ケア”次第で守ることができます。
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筋肉を動かす
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血流を保つ
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負担を減らす
この3つのポイントを意識するだけでも、膝の寿命は確実に延ばせます。
今日から少しずつ、「動ける膝づくり」を始めてみましょう。
