頭痛は鍼灸で改善する?タイプ別の効果とツボ・通院頻度を専門家が解説
1. はじめに:その頭痛、薬を飲み続けるだけで大丈夫ですか?

「天気が悪いと頭が重い」「仕事が忙しくなるとズキズキ痛む」
そんな繰り返す頭痛に、市販の鎮痛剤が手放せない方は非常に多いです。しかし、薬はあくまで「今ある痛み」を一時的に抑える対症療法に過ぎません。
「薬の回数を減らしたい」「頭痛が起きない体になりたい」
そんな願いに応えてくれるのが、古くから親しまれてきた鍼灸(しんきゅう)治療です。
鍼灸は、単に痛みを散らすだけでなく、頭痛を引き起こす根本原因である「血流不足」や「自律神経の乱れ」に直接アプローチします。この記事では、なぜ鍼(はり)が頭痛に効くのか、その仕組みと具体的な方法を分かりやすく解説します。
2. なぜ鍼灸は頭痛に効果があるのか?
「体に針を刺すだけで、なぜ頭の痛みが消えるの?」と不思議に思うかもしれません。実は、鍼灸の効果は科学的にも研究が進んでおり、主に以下の3つのメカニズムで体に作用します。
① 筋肉の緊張を「物理的」に緩める
頭痛の多くは、首や肩、背中の筋肉が硬くなることで血管を圧迫し、血流が悪くなることで起こります。鍼を直接硬い筋肉(コリ)に刺すと、その周囲の血流が劇的に改善し、筋肉がふわっと緩みます。
② 自律神経のスイッチを切り替える
ストレスや過労で「交感神経(興奮モード)」が優位になりすぎると、血管が過剰に収縮・拡張し、頭痛を招きます。鍼の刺激は「副交感神経(リラックスモード)」を優位にし、全身の緊張を解きほぐす効果があります。
③ 脳の「痛みを感じるセンサー」を調整する
鍼を刺すと、脳内で「エンドルフィン」などの鎮痛物質が分泌されます。これにより、痛みに敏感になっていた神経を鎮め、痛みを感じにくい状態へと導いてくれるのです。
3. 鍼灸で改善が期待できる頭痛のタイプ
ひとくちに「頭痛」と言っても、タイプによって原因は異なります。あなたの頭痛はどのタイプでしょうか?
| 頭痛のタイプ | 特徴 | 鍼灸によるアプローチ |
| 緊張型頭痛 | 後頭部をギューッと締め付けられるような痛み。肩こりを伴う。 | 首・肩周りの深層筋肉を緩め、血行を促進します。 |
| 片頭痛 | ズキズキと波打つような痛み。光や音に敏感になる。 | 自律神経を整え、血管の過剰な拡張をコントロールします。 |
| 群発頭痛 | 目をえぐられるような激しい痛み。一定期間に集中して起こる。 | 痛みの緩和と共に、三叉神経の興奮を抑える施術を行います。 |
| 後頭神経痛 | 頭皮をピリッと走るような痛み。 | 神経を圧迫している筋肉の緊張をピンポイントで解消します。 |
4. 東洋医学から見た頭痛の「2つの原因」
東洋医学では、体の中を流れるエネルギー(気)や血液(血)の状態を重視します。頭痛が起きる理由は、大きく分けて2つあると考えられています。
1. 不通則痛(ふつうそくつう)
「通じざれば、すなわち痛む」という意味です。ストレスや冷えで、血液やエネルギーの流れが滞ってしまうことで痛みが発生します。(例:肩こりからくる頭痛)
2. 不栄則痛(ふえいそくつう)
「栄(えい)せざれば、すなわち痛む」という意味です。栄養不足や寝不足、過労などで、体に必要なエネルギーが足りていないために痛みが出ます。(例:疲れが溜まると出る頭痛)
鍼灸師は、あなたの今の状態が「滞り」なのか「不足」なのかを見極め、一人ひとりに合わせた施術を行います。
5. 即効性も期待!頭痛改善におすすめの代表的なツボ
ご自身でも押せる、頭痛緩和に効果的なツボをご紹介します。
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百会(ひゃくえ)
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場所: 頭のてっぺん、左右の耳を結んだ線と鼻からの線が交わる場所。
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効果: 自律神経を整え、頭の重だるさをスッキリさせます。
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風池(ふうち)
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場所: 首の後ろ、髪の生え際にある大きなくぼみ。
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効果: 脳への血流を促し、眼精疲労や首コリからくる頭痛に特効があります。
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合谷(ごうこく)
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場所: 手の甲側、親指と人差し指の付け根のV字部分。
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効果: 「最強の鎮痛穴」と呼ばれ、頭部のあらゆる痛みに効果的です。
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6. よくある質問(FAQ)
Q. どのくらいの頻度で通えばいいですか?
A. 症状が強い最初の1ヶ月は、週に1〜2回のペースで集中的に施術を受けるのが理想的です。痛みが落ち着いてきたら、メンテナンスとして月1〜2回通うことで、再発しにくい体質へと変わっていきます。
Q. 施術後、体がだるくなることはありますか?
A. はい、「好転反応」と呼ばれる現象が起きることがあります。これは血流が急激に良くなり、体が回復しようとしている証拠です。通常、半日から1日程度ゆっくり休めばスッキリ解消します。
Q. 鍼(はり)は痛くないですか?
A. 鍼灸で使う鍼は、髪の毛ほどの極めて細いものです。注射のような痛みはなく、ズーンと心地よい響きを感じる程度ですので、初めての方もご安心ください。
まとめ:頭痛のない生活への第一歩
頭痛は「体からのSOS」です。薬でその場をしのぐだけではなく、鍼灸を通じて自分自身の体と向き合ってみませんか?
筋肉の緊張を解き、自律神経を整えることで、朝スッキリと目覚め、仕事や家事に集中できる毎日を取り戻すことができます。慢性的な頭痛でお悩みの方は、ぜひ一度、お近くの鍼灸院に相談してみてください。



