初夏の寒暖差をすこやかに。〜静かに忍び寄る「冷え」から体を守るために〜
新緑のみずみずしい葉が雨に濡れ、しっとりとした美しさを見せる季節になりました。日中は汗ばむほどの陽気を感じる日も増え、本格的な夏の訪れがすぐそこまで来ていることを実感します。
しかし、この心地よさの裏側で、私たちの体にはある「静かな変化」が起こり始めています。
「最近、朝起きたときに首や肩がピキッと突っ張る」
「なんとなく腰のあたりが重だるく、すっきりしない」
そんな違和感を覚えてはいませんか?
実は6月は、年間を通してもギックリ腰や寝違えといった「急激な痛みのトラブル」が非常に増える時期なのです。今回は、初夏の陽気に隠れて忍び寄る「冷え」の正体と、健やかにこの季節を乗り切るためのケアについてお話しします。
なぜ初夏に「ギックリ腰」や「寝違え」が増えるのか?
「寒さの厳しい冬ならともかく、なぜ今?」と思われるかもしれません。その原因は、この時期特有の目まぐるしい「寒暖差」にあります。
6月は、日中の気温が30℃近くまで上がる日がある一方で、朝晩や雨の日には肌寒さを感じるほど気温が下がることがあります。この急激な温度変化に対応しようと、私たちの体をコントロールしている「自律神経」は、24時間フル稼働で働き続けています。その結果、自律神経がヘトヘトに消耗してしまうのです。
さらに、日中の暑さに合わせて薄着で出かけたり、オフィスや電車のエアコンの風を浴びたりすることで、体は無意識のうちに冷やされていきます。「暑い」と感じているため本人は気づきにくいのですが、これが「隠れ冷え性」の状態です。
暑さで一度緩んだ筋肉が、冷気によって急激にキュッと縮み、硬くなる。この「冷え固まった状態」のときに、朝ベッドから起き上がろうとしたり、ふと後ろを振り向いたりした瞬間、許容量を超えた筋肉が悲鳴を上げてギックリ腰や寝違えを引き起こしてしまうのです。
東洋医学でみる、6月の「湿気」と「巡り」
また、東洋医学の視点から見ると、6月は「温度」だけでなく「湿度」も大きな鍵を握っています。
梅雨の時期の過剰な湿気は、東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれ、体に余分な水分を溜め込む原因になると考えられています。水分がうまく排出されずに滞ると、体は重だるくなり、血流や「気(エネルギー)」の巡りも悪くなってしまいます。
この「湿気による巡りの悪さ」と「寒暖差による筋肉の緊張」が重なり合うことで、普段から負担がかかっている腰や首、関節などに痛みが現れやすくなるのです。
今日からできる、体をいたわる3つのパーソナルケア
急な痛みに脅かされず、毎日をすこやかに過ごすために。日常の中でできる、優しい予防法をいくつかご紹介します。
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1. 「3つの首」を冷気から守る
首・手首・足首、そして首の後ろの付け根(東洋医学では『大椎・だいつい』という大切なツボがあります)は、冷えが入り込みやすい場所です。薄手のストールや羽織ものを一枚バッグに忍ばせておき、エアコンの風が直接当たるときや、夕方の冷え込みを感じたときにさっと守れるようにしておきましょう。 -
2. 夜の時間を大切に、ぬるめのお湯に浸かる
暑い日はシャワーで済ませたくなりますが、1日の寒暖差ストレスで高ぶった神経を鎮めるには、湯船に浸かるのが一番です。38〜40℃ほどのぬるめのお湯にゆったりと浸かることで、芯まで冷えた筋肉が緩み、自律神経がリラックスモード(副交感神経)へと切り替わります。 -
3. 内側から水分代謝を促す
冷たい飲み物は胃腸を冷やし、さらに代謝を落としてしまいます。できるだけ常温以上のものを選び、食事には生姜やネギ、大葉など、体をマイルドに温めながら余分な水分を外へ逃がしてくれる食材をそっと取り入れてみてください。
静かな空間で、心と体を満たす調整を
どれだけ気をつけていても、季節の変わり目の大きな変化に体が追いつかないことはあります。少しでも「いつもと違う重だるさ」や「硬さ」を覚えたら、それは体が発している小さなSOSです。
当院では、お一人おひとりのその日の状態、冷えの深さ、そして筋肉の緊張度合いを丁寧に拝見し、完全にプライベートな落ち着いた空間で施術を行います。
自律神経の通り道である背骨や骨盤のバランスを優しく整え、深部の筋肉をじんわりと温める鍼やお灸の施術は、冷え固まったお体を内側から優しく解放します。痛みが起こってから慌てて治療するのではなく、痛みが起こる前に、お体が本来持っている「巡る力」を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
周囲の喧騒から離れ、ただご自身の心と体のためだけに使う静かな時間を、当院でお過ごしになりませんか。
どうぞ無理をなさらず、この美しい季節をすこやかにお過ごしください。
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