血中酸素飽和度(SpO₂)と鍼灸治療の関係|呼吸機能を整え、疲労を軽減するケア
血中酸素飽和度(SpO₂)について
「SpO₂(エス・ピー・オーツー)」とは、血液の中にどれくらい酸素が含まれているかを示す数値のことです。指先に小さなセンサー(パルスオキシメーター)をつけるだけで、痛みもなく簡単に測定できます。

正常な数値の目安
- 健康な方は 96〜99% が目安です。
- 95%を下回ると、酸素が少なくなっている可能性があり注意が必要です。
- 90%以下になると、体に十分な酸素が行きわたっていない危険な状態です。
なぜSpO₂が大切なのか
体は酸素を使ってエネルギーを作り出しています。酸素が不足すると、息苦しさ・だるさ・集中力の低下などが起こり、重い場合は命に関わることもあります。つまり、SpO₂は「体のエネルギー状態」を知る大切な指標なのです。
このような方は定期的な測定がおすすめ
- 慢性の呼吸器の病気(ぜんそく・COPD・肺疾患など)がある方
- 心臓の病気がある方
- 新型コロナや肺炎などで呼吸の症状がある方
- 高齢の方や、日常的に息切れ・倦怠感がある方
鍼灸による呼吸機能へのアプローチ
当院では、血中酸素飽和度(SpO₂)の低下や慢性的な疲労・息苦しさを感じる方に対して、呼吸器系を整える鍼灸治療を行っています。
特に、洞不全症候群(脈拍が遅くなる疾患)や慢性疲労のある方では、全身の酸素循環が低下しやすく、だるさや息切れを感じやすくなります。鍼によって胸郭や横隔膜まわりの緊張をゆるめ、自律神経のバランスを整えることで、呼吸機能が高まり、呼吸がしやすくなります。
血中酸素濃度が上がることで、身体のエネルギー代謝が改善し、疲労感が残りにくい体づくりが期待できます。

SpO₂は、健康管理の「見えないサイン」を教えてくれる重要な指標です。慢性的な息苦しさや疲労感がある場合、酸素循環の低下が隠れていることもあります。鍼灸で呼吸の通りを整えることで、体全体の酸素バランスが改善し、日常生活の快適さが向上します。
定期的なSpO₂チェックと、体の内側から整えるケアで、より健やかな毎日を過ごしましょう。