冬場の冷え・だるさ・不眠は「自律神経の乱れ」かも|原因・症状・改善方法と鍼灸の効果

1. 自律神経とは?冬に乱れやすい理由
自律神経は、私たちが意識しなくても 心臓・血圧・呼吸・体温・胃腸・睡眠 などを自動でコントロールしている神経です。
・交感神経:昼・活動モード(心拍が上がる/筋肉に力が入る)
・副交感神経:夜・お休みモード(リラックス/眠り/胃腸の動きアップ)
本来は
日中は交感神経優位
夜〜睡眠中は副交感神経優位
というリズムが保たれていると、体も心も安定します。
このバランスが崩れた状態が、いわゆる 「自律神経の乱れ」 です。
冬は、下のような要因が重なります。
①寒さ・寒暖差
・外は寒く、室内は暖房でポカポカ
・出入りのたびに急激な温度差がかかる
→ 体は防御反応として血管を縮め、交感神経が緊張しやすい
②日照時間の減少
・太陽の光を浴びる時間が減る
・体内時計・ホルモン(セロトニン・メラトニン)のリズムが乱れやすい
→ 朝起きづらい、1日中だるい、夜に目が冴える など
③生活リズム・ストレスの変化
・年末年始の忙しさ・イベント・残業
・食べ過ぎ・飲み過ぎ・夜更かし
→ 交感神経が休む時間が減り、自律神経が疲弊
その結果、身体症状・メンタル・睡眠のトラブルとして出てきます。
2. 冬場の自律神経の乱れで起こる代表的な症状
◆からだに現れる症状◆
・冷え・手足の冷たさ
いつも手足が冷たい/布団に入っても温まらない
・肩こり・首こり・腰痛
寒い季節になると痛みが強くなる/筋肉がガチガチ
・頭痛・めまい・耳鳴り・ふらつき
気圧や天気の変化で症状が悪化しやすい
・胃腸の不調
胃もたれ・食欲不振・便秘や下痢
市販薬ではその場しのぎで、すぐに再発する
これらは、冬場特有の 血流低下・筋緊張・自律神経の乱れ がベースにあることが多いです。
◆心とメンタルの症状◆
・イライラしやすい
・特に理由もないのに不安になる
・やる気が出ない・何をしても楽しくない
・集中力が続かない・仕事の効率が落ちる
「冬になると気分が落ちる」「毎年この時期はしんどい」という方は、自律神経と日照時間の影響を疑ってよいサインです。
◆睡眠のトラブル◆
・寝つきが悪い・眠りが浅い
・夜中に何度も目が覚める
・朝スッキリ起きられず、日中ずっと眠い
交感神経がオフにならず、副交感神経が働けていない状態 が続くと、睡眠の質が落ちて回復力が低下します。
「冬場に体調が崩れやすい」という方は、早めに原因と改善方法を整理し、ケアを始めることが重要です。
3. 鍼灸が自律神経に働きかけるメカニズム
鍼(はり)やお灸でツボを刺激すると、
皮膚・筋肉の神経
→ 脊髄
→ 脳(自律神経の中枢)
へと情報が伝わります。
その結果、
・血管が広がり血流が良くなる
・筋肉のこわばりが緩む
・心拍・血圧・呼吸などの自律神経反応が落ち着く
といった変化が起こります。
施術後に多くの方が
・体がポカポカする
・眠くなる・リラックスする
・呼吸がゆっくりになる
と感じるのは、副交感神経が優位になっているサイン と考えられます。
東洋医学では、
-
気(エネルギー)
-
血(血液・栄養)
-
水(体液)
の巡りで体をとらえ、冷えや自律神経の乱れを
-
気血が滞る(気滞・瘀血)
-
温める力(陽気)が不足
-
冬の「寒邪」が体に入り込んでいる
といったバランスの乱れとして考えます。
鍼灸は、経絡(ツボのライン)を通じて、
-
気の流れ
-
血の巡り
-
体を温める力
を整え、全体のバランスを戻すことで自律神経の働きを安定させるアプローチです。
4. 今日からできる冬の自律神経セルフケア
①冷え対策(体を「少し温かめ」に保つ)
・38〜40℃のぬるめ入浴を15〜20分(半身浴でもOK)
・首・お腹・腰・足首を冷やさない服装
・冷たい飲み物より、白湯・温かいお茶・スープを選ぶ
「冷やさない・温める」だけでも、自律神経の負担はかなり軽くなります。
②睡眠と生活リズム
・朝起きたら、まずカーテンを開けて光を浴びる
・寝る1〜2時間前からスマホ・PC・テレビを減らす
・就寝・起床時間をなるべく毎日そろえる
体内時計が整うと、自律神経のオン・オフの切り替えもスムーズに。
③呼吸法でその場リセット
4秒吸って、8秒吐く「1:2呼吸」 をおすすめします。
1.鼻から4秒かけて息を吸う
2.口をすぼめて、8秒かけてゆっくり吐く
3.5〜10回繰り返す
「吐く息を長くする」ことで、副交感神経が働きやすくなり、イライラ・不安・ドキドキのリセットに役立ちます。
④軽い運動・ストレッチ
・1日5〜10分のウォーキング
・肩甲骨回し・胸を開くストレッチ
・デスクワーク中も1時間に1回は立ち上がる
血流を良くし、体温を保つことは、冬場の自律神経の乱れ予防そのものです。
⑤食事とメンタルのセルフケア
・温かい汁物・鍋・根菜・発酵食品を意識
・アルコール・甘いもの・カフェインの摂りすぎに注意
・「今日は頑張りすぎたな」と思った日は、早く寝る・湯船にゆっくり浸かる
「少し自分を休ませる選択」を意識的に増やすこと が、結果的に自律神経の安定につながります。
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