うつ病

<背景・疫学>
最近の国内調査では、DSM-IV(米国の診断基準)による大うつ病性障害の12ヶ月有病率(過去12ヶ月間に診断基準を満たした人の割合)は2.2%、生涯有病率(調査時点までに診断基準を満たしたことがある人の割合)は6.5%、ICD-10(世界保健機関の分類)診断によるうつ病の12ヶ月有病率は2.2%、生涯有病率は7.5%であり、これまでにうつ病を経験した人は約15人に1人、過去12ヶ月間にうつ病を経験した人は約50人に1人であるという結果となった。

<原因>
女性は男性の2倍程度、うつ病になりやすいといわれている。
うつ病が女性に多いことは、世界的な傾向であり、男女差の原因としては、思春期における女性ホルモンの増加、妊娠・出産など女性に特有の危険因子や男女の社会的役割の格差などが考えられている。また、うつ病は一般には若年層に高頻度にみられるが、うつ病の経験者は若年層と中高年層の2つの年齢層に多く、中高年層にも心理的な負担がかかっている可能性がある。
つらい被養育体験、最近のライフイベント(離婚、死別、その他の喪失体験というようなストレスとなった出来事)、心の傷(トラウマ)になるような出来事(虐待、暴力など)がうつ病の危険因子として、また社会的支援がうつ病の防御因子として報告されている。うつ病の特別な遺伝子はみつかっていないが、遺伝を脳内の神経伝達物質の代謝や受容体の遺伝子多型によって説明しようとする研究が急速に進んでいる。
脳の中では、情報を伝達するためにさまざまな神経伝達物質が働いており、そのうちセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンは、モノアミンと総称されている。一説に、うつ病は、このモノアミンが減ることで引き起こされるとされている。

<診断>
うつ病などの気分障害の診断は、血液検査や画像検査から直接行うことが出来ず、患者さん本人の臨床症状や、家族のお話から判断する。また、診断が確定した後の治療としては、薬物療法と心理社会療法との2つに大きく分かれる。治療の場は外来治療と入院治療とがある。

<一般的治療法>
処方される薬は、ベンゾジアゼピン系薬剤を中心とする抗不安薬、抗うつ薬と抗精神病薬の3つに大きく分かれる。抗不安薬は服用して数十分で効き目が出ることが多いが、大量を長期間続けることの問題も指摘されている。一方で抗うつ薬は、服用してから効果があるまでに数週間から数か月かかるが、うつ病への薬物療法の中心となることが多い薬である。
抗うつ薬には、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRIなどの種類があります。十分な量を十分な期間服用することが大切とされている。
薬物療法以外には、認知行動療法、心理療法などがある。
うつ病は再び症状が出現することの多い病気とされる。回復後1年に約20%の患者さんに再び症状が出現するとされる。さらに、何度も繰り返すことよって、その割合は約40~50%に上がる。薬物療法の継続が大切で、もし中止すると半年後に再び症状が出現する危険性は2倍になるといわれている。


神経系

神経痛(三叉、肋間)/偏頭痛/歯痛/ヘルペス/帯状疱疹神経痛/しびれ