アキレス腱

アキレス腱炎とは、過剰なストレスがかかることによりアキレス腱に炎症が生じる状態のことです。ふくらはぎの筋を酷使するシチュエーションの多いランナーによくみられる病気とされていますが、テニス やバスケットボールなどクイック動作の多いスポーツでも起こるため、運動習慣のある人には好発しやすい病態です。

アキレス腱は腓腹筋・ヒラメ筋の下端〜踵の踵骨までをつなぐ、長さ約 20〜25cmの腱です。1mm²あたり6〜10kgの張力に耐えられるため、本来およそ 1t 近い張力に耐えられる人体の中で最も強靭 な腱と言われています。ランニング時、アキレス腱には体重の約7倍の張力が加えられると言われています。

血管と神経が豊富に存在し、栄養を常に受けることができる結合組織性の被膜パラテノンに比べ、アキレス腱の中央部には走行する血管が乏しく、アキレス腱に加わるストレスがパラテノンの炎症を 誘発しアキレス腱部に疼痛を発生させると考えられています。アキレス腱自体は、一度痛みを生じると血管が乏しいこともあり難治となりやすい部位でもあります。

症状

軽度の場合、踵上部やアキレス腱の下部あたりに運動開始時や運動時痛を感じます。さらに、安静時などの無痛時でも、アキレス腱を押すことで痛みが発現するのも特徴です。人によっては、起床時 にアキレス腱部分に強張りを感じる場合もあります。

重症化してくると、安静時にも痛みがあり、スポーツの中止などアキレス腱にかかるストレスを除外し ても痛みが軽減・消失せず、腫れや熱感を伴うこともあります。

類似病変
  • アキレス腱周囲炎※アキレス腱炎と併発する場合もあります
    アキレス腱を覆う被膜パラテノンの炎症でアキレス腱自体の炎症ではないもの
  • アキレス腱付着部炎※アキレス腱滑液包炎を併発する場合もあります
    アキレス腱付着部(踵骨に引っ付く部分)の炎症
  • アキレス腱滑液包炎
    アキレス腱付着部付近にある踵骨後部滑液包やアキレス腱滑液包に生じる炎症

原因

アキレス腱炎は、走る・跳ぶな どの過度な繰り返し動作で、徐々に負担がかかり炎症が引き起こされます。 マラソンなどの陸上・サッカー・ラグビーなどの陸上競技での発症が多いとされていますが、バレーボール・バスケットボー ルなどのジャンプを繰り返す競技でも発症しやすいとされています。

またアキレス腱は、膝の軟骨などと同じく経年劣化が起こることもわかっており、加齢により発症しやすくなり、肥満や高血圧などがあると、より発症しやすいと考えられています。

その他、「靴が合っていない」「フォームが崩れている」「扁平足である」「急に運動を始めた」「ふくらはぎの硬さ」などの条件によってもアキレス腱炎になるリスクが高まります。

診断

アキレス腱炎はアキレス腱を押すと痛みが誘発されるという特徴があるため、痛みの部位、日頃の症状や上記のような身体所見から診断を下すことが可能です。そのため、特別な検査が必要ないケースがほとんどです。

しかし、炎症の程度やアキレス腱周囲に異常な血管が作られる難治性アキレス腱炎、さらにアキレス腱炎に似た症状を引き起こす別の病気の鑑別のために、レントゲンやエコー、MRIなどの画像検査を行うことがあります。

レントゲン:腱内部の石灰化を確認
エコー:アキレス腱の肥厚具合
MRI:腱周囲の血流増加を確認

一般的治療法・リハビリ

保存療法

軽症の場合、原因となるスポーツの中断や局所安静、アイシングなどを行いアキレス腱にかかる負担を減らすことで全治3ヶ月程度とされていますが、回復までの治療期間は症状の経過期間や重症度によって変わってきます。

状態によっては、消炎鎮痛効果のあるステロイドの服用や局所への注射が行われます。
理学療法士によるリハビリ・ストレッチングの指導・マッサージ、整骨院での電気治療や超音波治療、低周波治療器での治療、温める温熱療法などを行う場合もあります。

手術療法

これらの治療を行なっても6ヶ月以上痛みがなくならない場合には、手術治療の方法もあります。炎症を起こしている腱の周囲の組織を部分的に切除し、さらに腱自体に異常がある場合には腱の部分切除、腱の切除部分が多くなった場合には、他の部位から腱を移植して補強を行います。

難治性の場合、アキレス腱周囲に細い血管や神経が増殖していくことが知られており、最近では増殖した異常な血管を塞栓するための“運動器カテーテル治療”なども行われるようになってきています。手術内容は、腱の状態や周辺組織との兼ね合いで異なります。

予防法

アキレス腱部の痛みはアキレス腱炎のほかに、アキレス腱付着部症という病気があります。どちらもオーバーユースや急な運動によって起こります。

予防には、運動前のウォーミングアップが重要です。とくに、アキレス腱やふくらはぎ、太もものストレッチは入念に行いましょう。運動開始後も無理をせずに少しずつ体を慣らしていくことが大切です。

さらに、アキレス腱に負担がかかりやすい運動を行うときはソールやインソールのクッション性が高い靴を選ぶことも発症予防につながります。ランニング習慣のある方は、小さな歩幅で走るピッチ走法に変更することも有効です。また、痛みを感じたときは運動を中断して安静にしましょう。

日常生活の中では、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の緊張が緩むよう、立位時の重心位置を移動させ、負荷を減らすことも意識してみましょう。

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参考文献